柏市の交通事故と相手側の保険会社に示談で負けない方法
千葉県警察の統計によると、2018年、柏市では1,129件の交通事故が発生し、死者10人、負傷者1,389人の被害が出ています。
柏市は、千葉県の中でも交通の利便性が高い場所です。
人々が車を運転する機会も多く、また、駅や職場に向かう場合などには、車通りの激しい場所を自転車又は徒歩で通ることもあると思います。
そして、こういった運転中や歩行中に、交通事故の危険を感じたことがある人もいるかもしれません。
交通事故は、いつどのような状況で起こるかは誰にも分かりません。もし交通事故に遭ってしまった場合は、その損害の賠償を求めて、相手側と示談交渉しなければなりません。
ここでは、千葉県、特に柏市周辺において交通事故でお悩みの方に向けて、相手側の保険会社との示談を成功させるポイントをみていきたいと思います。
このコラムの目次
1.保険会社を相手にする示談交渉の注意点
交通事故における示談交渉の際は、事故の相手方本人ではなく、事故の相手が加入する任意保険会社が相手になることが多いです。
保険会社の示談担当者はいわば「示談交渉のプロ」です。
豊富な知識と経験をもとに交渉を進めてきますので、被害者側は、提案されるままに示談に応じてしまうこともあります。
しかし、保険会社はあくまでも営利企業なので、その示談提案は、実は、被害者側に不利な内容であることも多いのです。
では、どうしたら相手側の保険会社の言いなりにならず、適正な示談をすることができるのでしょうか。
2.示談交渉を成功させるためのポイント
(1) 自分でもある程度の知識を身に付ける
まず、交通事故について、自分でもある程度の知識を身に付けておくと、保険会社の提案が適正なものかどうか、ある程度は自分で判断することができるようになります。
また、弁護士に相談する際も、意向を伝えやすくなりますので、スムーズに打ち合わせをすることができます。
書店や図書館などで交通事故関連の本を入手したり、インターネットなどを通じて、正しい情報を得、ある程度の知識を身に付けるようにすると良いでしょう。
(2) 納得できない場合は、合意しない
交渉によって、示談内容について合意ができれば、最終的には「示談書」などの書面を取り交わすのが一般的です。
そして、通常、この書面には、「最終的に合意した支払額およびその支払をもって今後一切請求しない」旨の文言が入ります。
つまり、納得できない気持ちがありながらも合意してしまった場合であっても、原則として、後から追加で賠償請求するとか、合意は無効だと主張することはできません。
ですから、相手側保険会社の担当者が「通常このぐらいの額で合意するものだ」と言っていても、納得できない場合には、その内容で示談の合意をしてはなりません。
この場合は、弁護士等に相談した方が良いでしょう。
(3) 相手方とのやり取りは記録に残しておく
「相手側保険会社の担当者は、当初『治るまで治療してくださいね』と優しくしてくれたのに、三ヶ月治療したら急に冷たくなり、『もう治療は打ち切りにしましょう』などと言ってきた」という相談を受けることがあります。
このように、保険会社の担当者が言うことは、途中から変わる場合があります。
トラブルを防ぐ意味でも、相手側の保険会社とのやり取りは、なるべく記録に残る方法で行いましょう。
例えば、電話でも録音をしておく、メールや書面でやりとりする、などの方法があります。
なお、保険会社は、通常、通話内容などを内部記録として保管していますので、それに対抗するという意味でも、記録を残しておくべきでしょう。
(4) 示談交渉を誰かに依頼する
ここまで見てきたのは、基本的には自分で示談交渉する際の注意点です。
しかし、そもそも、誰かに示談交渉を任せてしまった方が適切である場合も多いです。
以下では、このことを詳しくお話しします。
3.示談交渉を誰かに依頼する
交通事故で怪我をすると、怪我が治るまでは病院で治療を受ける必要があり、一方で、あまり仕事を休むこともできなくなるので、かなり忙しくなります。
そのような状況の中で、「示談交渉のプロ」である、相手側の保険会社と示談交渉をするとなると、あまりにも大変です。
そういった場合、示談交渉を誰かに依頼しましょう。
一般的には、自身の加入する保険会社へ依頼する方法(示談代行)と、弁護士などの専門家に依頼する方法があります。
(1) 加入している保険会社の示談代行
交通事故にあって、自身に過失がある場合は、自身の加入している保険会社に、示談代行を依頼することができます。
この場合、保険会社の事故担当者が、契約者に代行して、相手方と示談交渉してくれます。
加害者側はほとんどすべての場合でこの制度を使っていますし、被害者側も、過失がある場合は、ほとんどすべての場合でこの制度を使っています(結果、保険会社同士で交渉することになる場合も多いです)。
示談代行制度は、費用は無料であるうえ、特に契約等をせずに依頼することができるため、利用しやすいというメリットがあります。
また、保険会社は示談交渉に慣れているので、自身で交渉するよりも、適切な解決が望めます。
ただ、先ほど記載したように、この制度が使えるのは、あくまで自身に過失がある場合です。いわゆる10:0の事故では、被害者は示談代行制度を利用できません。
また、争いが大きい事件では交渉が途中で頓挫してしまうこともありますし、後述するように、弁護士に依頼する場合に比べて得られる賠償額が低くなる可能性があります。
(2) 弁護士による示談交渉
弁護士は、本人の代理人として示談交渉をすることができます。
弁護士は自分で探してもいいですし、保険会社が紹介してくれることもあります。
弁護士は、相手側と直接連絡を取り合い、合意に向けて交渉しますが、万が一交渉が難航して裁判になった場合でも、そのまま弁護士が代理人として手続を進行できます。
また、刑事裁判になった場合の対応を任せることもできます。
さらに、弁護士に依頼をすると、弁護士に依頼しなかった場合に比べて、慰謝料額が大きく増額される可能性が高いです。
[参考記事]
人身事故の示談交渉は弁護士に依頼!慰謝料額が増額する理由
また、事故により後遺症が残ってしまった場合には、後遺障害等級の認定の申請について、必要書類のチェックやアドバイスを受けることもできるので、有利な等級の認定を受けることができる可能性が高まります。
[参考記事]
後遺障害の申請方法|被害者請求が事前認定より有利な理由
なお、弁護士に依頼をするとなると、弁護士費用がかかりますが、自身や家族が加入している保険に弁護士費用特約が付随していれば、同保険によって弁護士費用を賄えますので、ほとんどの場合では、費用の心配は不要です。
仮に弁護士費用特約を使えない場合でも、通常、弁護士の介入により受け取れる賠償金が増えるので、それにより弁護士費用を賄うことができる場合がほとんどです。
[参考記事]
交通事故賠償請求の費用の不安を解決!弁護士特約のメリットと使い方
自身が加入している保険会社の示談代行を利用するだけで足りるか、それとも弁護士に依頼すべきかについては、物損事故か人身事故か、軽傷か重傷か、弁護士特約が利用できるかどうか、といった面を中心に判断すると良いでしょう。
なお、泉総合法律事務所では、弁護士に依頼するとかえって費用倒れになるとか、かえってこじれてしまいそうだとか、被害者の方の利益とならない可能性が高い事故の場合は、しっかりとその旨をお伝えしています。
相談したら必ず依頼しなければならないというわけではありませんので、困っていることがあれば、まずはご連絡ください。
4.交通事故の示談は泉総合法律事務所柏支店へご相談下さい
交通事故、特に人身事故の示談を成功させるためには、事故後できるだけ早い段階で弁護士に相談することが大切です。
相手側の保険会社の言いなりにならず、適正な賠償を得ることができれば、その後の生活もより安心できるものとなります。
もし、ご自身やご家族の保険に弁護士特約が付いている場合には、ぜひその特約を利用して、弁護士に依頼することをお勧めします。
[参考記事]
千葉県柏市で交通事故に遭ったら弁護士にご相談ください
柏市、松戸市、我孫子市、流山市、野田市、常磐線・野田線沿線にお住まい、お勤めの方で、交通事故の被害者となってしまった方、お悩みの方は、是非一度泉総合法律事務所柏支店の無料相談をご利用ください。
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