交通事故

柏市で交通事故に遭ったが、過失割合に納得できない…対処法は?

柏市で交通事故に遭ったが、過失割合に納得できない…対処法は?

実際に生じる交通事故は、当事者の双方に前方不注意や速度違反といった落ち度があることが少なくありません。

そのため、損害賠償額を定める際には、交通事故の発生に対してそれぞれの当事者が負う「過失の割合」が重要となります。

実際に交通事故の示談を経験したことがある人なら、今回の事故は「4対6」や「3対7」でどうか?と保険会社から打診されたことがある人も多いと思います。

しかし、保険会社が提示してくる過失割合に納得がいかないケースも少なくないようです。「相手の方が明らかに悪い」と思っているにも関わらず、「4対6」や「5対5」の過失割合を提示されて不満に感じたことがある方もいるのではないでしょうか。

そこで、今回は、交通事故の過失割合が決める方法、保険会社が提示した過失割合に納得できないときにどうしたら良いかということについて解説します。

1.「過失割合」とは何か

交通事故が起きたときには、被害者に生じた損害を加害者が賠償しなければなりません。

損害賠償の支払い義務は、民法709条以下が定めています(交通事故の場合には、自動車損害賠償保障法も適用されます)。

民法では、被害者に過失があるときには、過失相殺(かしつそうさい)をすることが定められています(民法718条)。

わかりやすく言えば、損害発生の原因に被害者の落ち度が含まれるときには、その分だけ損害賠償額が減額されるということです。

交通事故における「過失割合」は、過失相殺のときに問題となるものです。

(1) 交通事故の多くは当事者の双方に過失のあることが多い

いわゆる「交差点での出会い頭の衝突事故」のように、実際に発生する交通事故の多くは、交通事故の当事者の双方に過失がある(前方不注意や速度違反)があることが少なくありません。

過失割合が「0対100」になるのは、「正しく停止している自動車への衝突事故」や「信号無視」、「センターラインオーバー」といったケースに限られるのが通常です。

したがって、交通事故の示談交渉では、「過失割合」の認定をめぐって、相手方(の保険会社)と争いになることも少なくありません。

実際にも「相手に原因がある」が思っていた交通事故で、保険会社から「3対7」や「5対5」といった過失割合を提示されて憤りを感じたことがある人も多いと思います。

(2) 損害賠償額と過失割合

実際に受け取る(支払う)損害賠償の額は、「認定された損害額に過失の割合」を乗じた金額となるのが一般的です。

たとえば、自分に発生した損害額が100万円で、自らの過失が30%のときに、受け取れる損害賠償額の総額は70万円となります。

自動車の衝突事故では、双方の自動車に破損が生じることが多いように、当事者の双方に過失がある事故では、相手方にも損害が発生していることが一般的です。

この場合、相手に発生した損害を支払う必要があります。自分の過失割合が30%ならば、相手に発生した損害額の30%は負担する必要があります。

たとえば、相手に発生した損害が同じ100万円であれば、こちらの負担分は30万円です。

(3) 相手の被害額が高いときの注意点

相手の被害額が高いときには「過失割合が低くても」損害賠償を支払うことがある交通事故の示談交渉では、それぞれの損害に対して、それぞれ過失相殺を行います。

双方に発生した損害額の総額をまとめて過失相殺するというわけではありません。

そのため、実際に発生した損害額に開きがあるときには、過失割合が低くても損害賠償を支払う必要が生じることがあります。

先に用いた「3対7」のケースで説明してみましょう。

たとえば、過失割合の少ない当事者(A)に発生した損害が100万円で、過失割合の多い当事者(B)に発生した損害が300万円であるときには、下の計算結果となり過失割合が少ないはずの当事者(A)の支払い額の方が多くなってしまうのです。

  • 当事者(A)に発生した損害:100万円×過失割合(30%)=受け取れる賠償額70万円
  • 当事者(B)に発生した損害:300万円×過失割合(30%)=支払う賠償額90万円

「ベンツのような高級車と交通事故になると大変」と言われたりするのは、このような事情があるからなのです。

損害賠償の支払いは加入している保険(自賠責保険・任意保険)から支払われるため、あまり意識をしている人は少ないかもしれませんが、「過失割合が低い=安心ではないことは知っておいた方がよいでしょう。

2.過失割合の決まり方

「過失割合」は、損害賠償の負担を決める基準に過ぎません。そのため「民事上の問題」である過失割合の認定に警察が介入することはありません。

したがって、交通事故の示談交渉では、当事者同士の話し合いで過失割合が決められるのが原則となります。

過失割合について同意がとれないときには、最終的には民事訴訟(損害賠償請求訴訟)で、決着をつけることになります。

(1) 裁判になったときの過失割合の決まり方

裁判となったときには、「過去の裁判例」を基準に、訴えられた交通事故における過失割合が裁判所によって認定されます。

過去の裁判例の基準は、実務家向けに販売されている専門書などにまとめられているので、購入すれば一般の方でも見ることができます。

交通事故の過失認定率を掲載したものとしては、「別冊判例タイムズ『民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準』」が最も有名です。

これらの本では、下のような形で過失割合の認定基準が示されています。

過失割合の認定基準

一般的には、「交通ルール違反のある当事者」の過失割合は多く、歩行者や二輪車よりも自動車の方が過失割合は高くなると理解しておいて問題ないでしょう。

しかし、上の表で示されるように、実際の交通事故は同じようにみえる事故でも、細かな状況によって認定される過失割合が異なります(上記の事情に速度違反・酒気帯び運転や「携帯・スマホを使用しながらの運転」といった事情があれば、さらに過失割合が調整されます)。

(2) 双方過失事故での過失割合の決まり方

双方過失事故では「保険会社同士」の話し合いで決まることがほとんど

当事者の双方に過失がある交通事故の示談交渉は、お互いに保険会社を通して行われることが最も多いです。

自らに過失がある事故の場合には、示談交渉を保険会社が代理することができるからです。

保険会社は、それぞれに独自の過失割合の認定基準を持っています。保険会社の過失認定基準も過去の裁判例を参考にして作成されています。

そのため、事故の状況が明確であるときには、示談交渉を保険会社に任せておいて問題ないこともあるでしょう。

また、不利な過失認定を避けるためにも、事故の状況は正しく、詳細に保険会社に伝えることが大切です。

3.保険会社が提示した過失割合に納得できない場合

当事者双方の事故状況の認識が異なる場合や、事故状況が複雑である場合には、示談交渉を保険会社任せにすると、不利な過失認定となってしまう場合があります。

保険会社の担当者は、交通事故の当事者ではないため事故の状況を見ているわけではありません。

ひどい保険会社の場合には、事故現場を実際に確認せずに過失割合を認定されてしまうこともあります。

また、保険会社同士の交渉では、「お手盛り」のような交渉結果(交渉の手間暇の軽減や、相手方保険会社との付き合いを理由に妥協してしまう)となってしまうこともあります。

(1) 自分の保険会社に「納得できない」とハッキリ伝える

保険会社に示談交渉を任せているときには、まずは自分の保険会社に「提示された過失割合では納得できない」ことを明確に伝えましょう。あわせて、提示された過失割合の根拠を確認しておくと良いでしょう。

その上で、自分で調べた裁判基準などと照合し、実際の事故と、保険会社が主張している事故状況との違いを保険会社に伝えることも有効です。

こちらが納得のいかない過失割合が提示されているときには、速度超過や前方不注意などの加重要素の認識が異なる場合も少なくありません。

特に、死亡事故の場合には、当事者の片方がすでに死亡しているため、他方当事者(加害者)側の主張のみで事故状況が把握されたことで不利な過失認定を受けることも少なくありません。

事故状況を正しく把握して、自分の保険会社が納得できる(理解できる)ように、こちらの主張をきちんと伝えることが大切です。

(2) 自分で相手方(の保険会社)と交渉する

自分が加入している任意保険会社の担当者が十分な交渉をしてくれないときには、自分で相手方(の保険会社)納得いくまで交渉することも選択肢のひとつです。

この場合にも、相手の方の主張の理由と実際の事故状況との違いを論理的に主張することになります。

(3) 自分で交渉できないときには、弁護士に相談

自分の保険会社にせよ相手方の保険会社にせよ、保険会社の担当者は示談交渉のプロです。プロを相手に一般の方が対等に交渉することは、実際には簡単ではありません。

裁判での過失割合認定基準を調べるにも時間や費用(書籍購入費用)などがかかります。また、事故状況を正しく把握するためには、現場を自分の手で検証する必要があることもあるでしょう。

特に、物損事故では、実況見分調書が作成されないため、事故状況を詳細に把握する資料が存在しません。

交通量の多い道路での事故の場合には、一般の方が現場検証することすら難しい(危険)なこともあります。

自分で交渉することが難しいときには、弁護士に相談するのが最も安心です。

物損事故のような被害額が少ないケースでも、「弁護士費用特約」に加入しているときには、弁護士費用(の一部)が保険から支払われるので安心です。

なお、弁護士費用特約それ自体は、「ノンフリート扱い」なので、利用しても翌年の保険料に影響はありません。

被害の状況によっては、弁護士に示談交渉を任せて、「保険を使わずに済んだ方が得」ということもあるでしょう。

4.過失割合で悩んだら弁護士にご相談ください

交通事故の示談交渉において「過失割合の認定」はとても重要です。提示された過失割合に納得できないうちは、示談に応じるべきではないでしょう。

たとえば、1,000万円の損害のある交通事故では、過失割合が10%変わるだけで、損害賠償額が100万円も変わってしまいます。

しかし、実際に保険会社が提示してきた過失割合を覆すことは、一般の方にとって簡単なことではありません。その際には、交通事故案件に豊富な実績のある弁護士のサポートを受けることが最も確実で安心です。

泉総合法律事務所では、交通事故のご相談は初回無料でお受けいただくことができます。

柏市、松戸市、我孫子市、流山市、野田市、常磐線・野田線沿線にお住まい、お勤めの方で、交通事故の示談交渉でお困りの際には、お気軽に泉総合法律事務所柏支店の弁護士までお問い合わせください。

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