債務整理

自己破産の手続きの流れについての基礎知識

自己破産の手続きの流れについての基礎知識

皆様も、「債務整理についてのご相談は○○法律事務所にお任せください」といったCMや車内広告などを目にすることも多いかと思います。また、わが国でも多重債務の問題を抱える方が多いことから、政府も借り入れの総量規制などの対策をとっており、2003年以降自己破産の件数は減少傾向にあります。

とはいえ、この数値も2014年以降横ばいになっており、しかも近年では微増の傾向も見えています。絶対値を見てみても、年間約6,5000件の自然人の自己破産の申し立てがなされています。

実際、このコラムをご覧になっている方の中にも、借金問題に苦しんでいて、自己破産を検討している、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

近年では学生の多額の奨学金の問題や、新たなギャンブルであるカジノの新設の話もあり、自己破産についての知識は持っておいて損はありません。

そこで、ここでは自己破産がどのような手続きで進んでいくのかを説明していきたいと思います。

1.自己破産とは

当職がよく法律相談にて説明する内容を申し上げますと、自己破産とは、「目ぼしい資産については、換価して債権者に分配する代わりに、借金をチャラにしてもらう制度」です。

資産がほとんどなく、借金が多額に脹れ上がってしまった人にとっては、大きな経済的メリットがある制度ですが、その一方で、当然お金を貸していた側の債権者には大きな不利益を与える手続きですので、裁判所のもと、厳密に精査をされながら進められることになります。

2.手続きの流れ

それでは、大まかな手続きの流れを見ていこうと思いますが、一点注意が必要です。

前述のとおり、自己破産は裁判所を通す手続きですが、その管轄は自己破産を申立てる人の住所地によって異なり、その具体的な進行も各裁判所によって微妙に異なっています

よって、できるだけ一般化するように説明いたしますが、必ずこのコラム通りの手続きになるというわけではないということはご承知おきください。

(1) 申立てから「破産開始決定」まで

まず、前述のとおり、自己破産を申立てようとする人は、自身の住所を管轄する地方裁判所にその申立てを行います。多くの裁判所は自己破産申立用の書式を持っており、これに記入する形で作成していきます。

内容としては、

  • 自己破産に至るまでの経緯、
  • 借入先の債権者の一覧、
  • 現在所持している資産の一覧、
  • 現在の収入状況など

を記載していくことになります。

これと併せて、

  • 住民票(本籍地などの省略のないもの)、
  • 収入を証明する書類(源泉徴収票、給与明細書など)、
  • 上記資産を示す客観的資料(たとえば、不動産の登記簿謄本や、保険契約の解約返戻金証明書など)、

を提出します。

また、申立て前数か月分の家計表や、手持ちのすべての銀行口座の一定期間の通帳のコピーも提出する必要があります。

これらの資料を裁判所が検討し、支払不能状態であると判断すれば、「破産開始決定」が出され、自己破産の手続きが開始されます。

(2) 手続きの分岐

ここで、自己破産の手続きは、大きく二つに分かれます。

というのも、上記提出書類からみて、明らかに資産がないということがわかれば、債権者に分配するものもないということになりますので簡易な手続きでも問題ないはずです。

一方、このような資産がある方は、これを換価して債権者に分配する手続きが必要になりますが、裁判所がこのような手続きをすべて担うことは物理的に不可能です。そこで、このような資産が存在する場合には、「管財人」という自己破産に精通した弁護士を選任し、この者に破産者の財産を管理させ、債権者に分配する財産の選別や、実際の換価・分配の処理を任せます。

この「管財人」が付く手続きを「管財事件」といい、付かない手続きを「同時廃止」といいます。

ここで注意が必要なのは、この二つの手続きの分水嶺は、資産があるかないかの1点だけで決まるわけではありません。実務上、破産者に「免責不許可事由」があるかどうかによっても異なってきます。

というのも、免責不許可事由がある場合、裁判所は原則借金をチャラ(これを「免責」といいます。)にしてはいけないが、裁量によって例外的に免責を許可することができると決められています。

よって、裁判所は破産者の経済的更生状況など諸般の事情を慎重に検討することになりますが、これもすべてを裁判所で精査することは物理的に難しいことから、この調査も管財人で基本的に行われています。

よって、免責不許可事由がある場合にも、「管財事件」に振り分けられることになります(ただし、軽微なものについては「同時廃止」に振り分けられる可能性もありますので、弁護士に実際に相談されることをお勧めします。)。

(3) 同時廃止

上記のとおり、同時廃止の手続きの場合には分配する資産も免責不許可事由もないので、裁判所にて「免責審尋」を受けて終了となります。

これは、免責を許可するかどうかについて裁判官が実際に破産者から話を聞くという手続きなのですが、現在では形骸化されている節もあり、集団でおこなわれて裁判官が今後についての訓示を5分ほど述べて終了という裁判所もあるようです。

(4) 管財事件

管財事件の場合、まずは管財人の事務所での面談が設定されます。ここで破産に至る経緯や、申立書などの書類について詳細を聴取されます。

その上で、債権者に分配する財産を決定、換価・分配が行われます。また、免責不許可事由がある場合には、それにかかわらず裁量による免責を認めてもよいかどうか、経済的な更生状況などの調査が行われます。

その後、裁判所で行われる「債権者集会」という場で、この結果を管財人が裁判所と債権者(債権者が大手貸金業者や金融機関の場合には、出席することはまずありません)に報告をし、これをもとに裁判官が免責を許可するかどうかを決定するわけです。

(5) 免責許可決定

以上のような手続きを踏み、最終的に裁判所から「免責許可決定」が出されれば、無事に借金がチャラになり、もう一度経済的にやり直すチャンスが与えられるということになります。

ただし、免責不許可事由があるにもかかわらず、手続きに非協力的だったり、虚偽の申告をしていたり、経済的な更生がなされていないような場合には、免責不許可の決定が下される場合もありますので、十分な注意が必要となります。

このいずれかの決定により、破産手続きが終了となるわけです。

3.自己破産を検討されている方は泉総合法律事務所へ

借金問題に困られ、自己破産しようとお考えでも、抵抗がある方も多いと思います。また、自己破産については色々な誤解もあります。

泉総合法律事務所には、債務整理のエキスパートが揃っています。相談も無料です。多くの実績を積んだ弁護士が、最良の債務整理の選択肢をご提案します。

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